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アニメ制作における“デジタル技術”のこれまでとこれから…伊藤智彦監督&瀬下寛之監督がトーク【IMARTレポート】 マンガ・アニメの未来をテーマにした国際カンファレンスIMARTが11月15日(金)から17日(日)にかけて開催。本稿では17日に開かれたセッション「コンテンツ制作を取り巻くデジタル技術のこれまでとこれから…」の様子をお送りする。 イベント・レポート 2019.12.25 Wed 22:00


アニメ制作における“デジタル技術”のこれまでとこれから…伊藤智彦監督&瀬下寛之監督がトーク【IMARTレポート】
マンガ・アニメの未来をテーマにした国際カンファレンスIMARTが11月15日(金)から17日(日)にかけて開催。本稿では17日に開かれたセッション「コンテンツ制作を取り巻くデジタル技術のこれまでとこれから…」の様子をお送りする。

イベント・レポート

2019.12.25 Wed 22:00

IMARTのセッション「コンテンツ制作を取り巻くデジタル技術のこれまでとこれから…」の様子

  • IMARTのセッション「コンテンツ制作を取り巻くデジタル技術のこれまでとこれから…」の様子
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マンガ・アニメの未来をテーマにした国際カンファレンス「国際マンガ・アニメ祭 Reiwa Toshima(IMART)」が11月15日から17日にかけて豊島区役所で開催された。カンファレンスでは24のセッションが開かれ、教育やテクノロジー、マーケティングやジャーナリズムなど様々な分野について活発な議論がなされた。
本稿ではそのうち、17日に開かれたセッション「コンテンツ制作を取り巻くデジタル技術のこれまでとこれから…」の様子をお送りする。

近年アニメ制作現場は急速にデジタル化が進んでいる。この流れは映像のCGだけでなく、絵コンテや制作管理にも及んでいる。
こうしたデジタル化は監督・演出においてどのような影響があるのか、アニメ『ソードアート・オンライン』や映画『HELLO WORLD』で監督を務めた伊藤智彦、アニメ『GODZILLA』シリーズ監督の瀬下寛之のふたりが解説した。司会はワコムで製品の普及活動に務める轟木保弘が務めた。




伊藤監督は手描きから3DCG中心の制作手法にシフトしていった経緯を持ち、一方で瀬下は元々CGクリエイターであり一貫してデジタル畑という違いがある。

まず、轟木によってアニメ制作技術の変遷が語られる。元々日本のアニメはアメリカのディズニー作品の影響を受けてきた歴史があり、1960年代に『鉄腕アトム』が放送開始されて以降、多くのスタジオや会社の参入が始まった。


当時は全てアナログであり、彩色されたセルを撮影台に配置し、その都度カメラで撮ってフィルム化する工程をとっていた。セルの乾燥時間や物理的な重量、輸送負担もあり、重ねられるセルの枚数も限られていた。
現在の画像編集ソフトのように、10枚以上レイヤーを重ねて映像を表現することは困難だったのだ。


次第に90年代後半からパソコンが普及し、画像編集ソフトも現場に進んでくる。こうなると、スキャナで取り込んだ絵にデジタルで彩色していくというように、徐々にデジタル化が取り入れられてくる。
やがて「撮影」と呼ばれる工程も、アドビの映像加工ソフト「After Effects」を使用して、2004年頃までにデジタル化が進むようになる。近年では作画においてもペンタブレットが使用されるようになるなど、デジタル化はさらに広がっている。


3DCG制作技術の歴史においては、1982年のディズニー映画『TRON』でCGが作品制作に活用されるようになったという。93年の映画『ジュラシック・パーク』の大ヒットにより、CGというものが一般の注目を集めるようになった。
そして95年、世界初フルCGによる長編アニメ映画『トイ・ストーリー』をピクサーが公開。現在でもシリーズが続く大ヒットとなった。
2004年になると、ディズニーは手描きアニメーションから撤退。以後、同社のアニメはフル3DCGによる作品制作へとシフトしている。


国内においては、1994年の『マクロスプラス』でCGが本格採用に至ったという。キャラクター造形などにおいては日本のアニメとの親和性は低かったが、2003年になると「セルルック」と呼ばれる、CGをアニメっぽい表現でできるプラグインが登場するようになり、日本のアニメにおいても革命が起こるようになる。同時期のゲーム、『アイドルマスター』が好例かもしれない。


TVアニメにおいても、2013年の『蒼き鋼のアルペジオ』ではフルCGで制作され、「テレビではCGは無理」という一部の風評を覆す格好となった。現在ではVRやゲームエンジンをアニメ制作現場に取り入れる動きが始まっているという。


その後、伊藤監督によるアニメ制作ソフト「Storyboard Pro」の実演紹介が行われた。これはカナダのソフトウェア企業「Toon Boom Animation」が開発しているソフトで、世界中のアニメ制作スタジオで使われている。世界ではシェアナンバーワンで、Adobe製品のよう当たり前に使われているソフトだが、日本のアニメ制作現場で使われるようになったのはここ数年のことだという。


実演は『HELLO WORLD』を使って行われた。「Storyboard Pro」は絵コンテをソフト上でつなぎ合わせて映像のようにできるツールで、『HELLO WORLD』の最初の十数分間公開された。

撮影禁止のためお見せできないが、舞台となった京都の写真から始まり、いかに制作時に現地で写真を撮影し、それを仮の背景として活用しているかがわかる。
この写真の上に、監督が手描きでコンテを描いているものも多かった。背景写真がないようなシーンは、手描きのコンテ中心で、動画のようにシーンが切り替わっていった。

だが、このツールの使い方一つでも業界差や個人差があるようで、この伊藤監督の使い方に瀬下監督が驚く場面もあった。
伊藤監督は、「Storyboard Proを使うことで自分自身を客観視できるし、人に見せることでアドバイスももらいやすい」と話す。


その後、これからのアニメ制作はどう変わっていくかという話に移った。伊藤監督は「アニメの状況だと、3Dと混在していく状況はここしばらく続く。それから4K対応をどうするのか、いつまでこのA4用紙で作画しなければならないのか、という不安は感じる」と話す。

これに瀬下監督は、「元々僕はCG屋として、30年前にドーム映像や展博映像で1コマ4Kのものをがんがん作っていた。高解像度ということに対する違和感は全くない」と言い切った。
今後についても、「作品を作りながら新しい技術開発も行っている。今後も押し進めていきたい」と抱負を語った。

また、ゲームエンジンである「Unity」が制作現場に取り入れられてきており、『HELLO WORLD』でも一部採用したと伊藤監督は明かした。

瀬下監督は、「『Unity』などは当然前提とすべき技術として、3年後のイメージでいまいろいろ試している。目指す方向としては、CGアニメをもっとライブ感ある、映像フォーマットに縛られない作品のあり方を探したい」と意気込みを語った。
そしてアニメの今後について、「こうしたゲームエンジンが活用されることで、今後アニメは双方向でインタラクティブなものに変わっていって、新しい楽しみ方を生み出してくれるのではないか」と元ゲーム会社にいたキャリアも感じさせる見解を話した。

[アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.bizより転載記事]

Original article source:https://animeanime.jp/article/2019/12/25/50584.html

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